すると、可憐ちゃんが興味津々な態度を悪化させる。
 稔はというと面倒くさそうに呆れた顔をして、漫画を描いていた。
 いや、一応今は授業中なんだけど、稔……。まあ、いいか。
 そんな時、パンパン、と遠くから手を叩く音がしてそちらを見る。
 保健室の先生だ。にこやかに、どこか呆れたように笑ってみんなを見ている。

「はいはい、みんなそろそろ給食よ」

 保健室の先生の言葉で、私たちは黙る。そういえば、もうそんな時間だ。
 私もかなりお腹が空いてきた気がする。初めの方は、私も教室じゃない場所で食べる給食は疎外感(そがいかん)があって嫌いだった。
 だけれど、今は四人で食べる給食がすごく美味しい。
 私は先生が運んでくれる給食をテーブルにそれぞれ並べる。
 嬉しいことに、今日の給食はカレーである。私の好物! やったあ。

「いただきまーす!」

 カレーの美味しそうな匂いに負けたみんなは席につく。
 そして、みんなで手を合わせて、一斉にそう言う。
 私はずっとこのまま、居心地のいい空間に居られればいいのに。
 なんて強く願いながら。

***