「はい! 問題ないです」
「不登校とか、保健室登校は何も当人は悪くないのよ。ただ色々事情があって、行けなくなってるだけ。だから、隠す必要はないの」
「そうですね。みんな頑張って保健室に通ってるってわかったし……」

 ぼんやりとしたイメージより、込み入った事情をみんな抱えてた。
 つらい事情があってもそれでも中学校に顔を出して、頑張っていた。そう。私も。

「でも、言い出しにくかったわよね。ご両親に」
「私、もう隠しません! 自分と向き合います」

 保健室登校で何が悪い。私は悪くない。隠す必要もない。
 だって何も後ろめたいことはない。私は(ひそ)かに戦っているのだから。
 自分と、教室とすべてと。

 そう思っていたのに。
 パパとママは、人気者じゃなくなって、保健室登校の明日花、を受け入れてはくれなかったのだ。

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