「これからも、よろしくね。明日花。ほら、みんなも」

 手招きして、疾風は残りのふたりを呼ぶ。ふたりを差し出してくれる。

「ほら、明日花」

 疾風に背中をトン、と押される。

「え、うん」
「ここでは誰もが言いたい話だけしてればいいのよ」

 ダメ押しするように先生も言った。
 他のふたりとも私は握手して、笑い合う。ふたりとも笑顔。
 やりたい事だけして、言いたい事だけ伝え合う。自由で柔らかな世界。

 こんなにも優しい世界が、学校の中にあったんだーー。

***