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「じゃあ、あたし事務所の車が来たから帰るね」
放課後になって、可憐ちゃんはそう言って立ち上がった。
事務所って? と私が首を傾げていると。
「あたし。一応売れない芸能人なんだ」
「えー! すごい! さすが可愛いだけある! 納得! 可憐ちゃんすごいよお!」
めちゃくちゃ納得。
持ち物も上品だし、立ち振る舞いだって華麗な感じがするもん。
「明日花ちゃん、ありがとう。そうやって褒めてくれる人ばかりならいいんだけどね」
「? どう言うこと?」
なぜか悲しげな表情の可憐ちゃん。そしてすぐさま笑顔になる。
「ん。なんでもないよ。じゃあね。明日花ちゃん。稔。疾風」
ヒラヒラと手を振って誤魔化すように可憐ちゃんは保健室を出て行った。一方稔先輩はというと、机と睨めっこをしていた。
「何やってるんです、稔先輩」
「稔でいいよ。原稿、雑誌の原稿だよ」
鼻高々に稔は言い切る。
確かに机にはそれらしき漫画の原稿がある。なんかシールみたいなやつを今貼っている様子。
「じゃあ、あたし事務所の車が来たから帰るね」
放課後になって、可憐ちゃんはそう言って立ち上がった。
事務所って? と私が首を傾げていると。
「あたし。一応売れない芸能人なんだ」
「えー! すごい! さすが可愛いだけある! 納得! 可憐ちゃんすごいよお!」
めちゃくちゃ納得。
持ち物も上品だし、立ち振る舞いだって華麗な感じがするもん。
「明日花ちゃん、ありがとう。そうやって褒めてくれる人ばかりならいいんだけどね」
「? どう言うこと?」
なぜか悲しげな表情の可憐ちゃん。そしてすぐさま笑顔になる。
「ん。なんでもないよ。じゃあね。明日花ちゃん。稔。疾風」
ヒラヒラと手を振って誤魔化すように可憐ちゃんは保健室を出て行った。一方稔先輩はというと、机と睨めっこをしていた。
「何やってるんです、稔先輩」
「稔でいいよ。原稿、雑誌の原稿だよ」
鼻高々に稔は言い切る。
確かに机にはそれらしき漫画の原稿がある。なんかシールみたいなやつを今貼っている様子。