「疾風が貸してくれるなら読む」
「はい、よく言えました」
「えへへ」
「ものい時はちゃんと言うんだよ」
「はい!」
大きな手を私の頭に乗せながら言う疾風のその言葉に、なんだか恥ずかしくなる私。子供扱い? 絶対今私耳まで赤いよ。はあ。
さりげなく方言を真似てくる疾風に和(なご)む。なんだか懐かしい気がして嬉しい。心がホッコリする。
「リラックスして、ゆっくりと休むんだよ。明日花」
なんで、疾風は私なんかに、こんなにもよくしてくれるんだろう?
私とは義理もない赤の他人なのに。
不思議でしょうがない。優しいからかな?
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