「何度かうがいして、具合まだ悪いなら帰るんだよ。明日花」
「はい、疾風先輩」
 言われるがままに私はうがいをした。そして、私はため息をつく。だいぶ気持ちが落ち着いてきた。
「一日ぐらい、休んだって大丈夫だから」

 疾風先輩の言葉に、私は笑顔で頷く。そうだよね。焦る必要はない。まだまだ、私は大丈夫なんだから。

「文庫本なら貸すけど、読む? 明日花」
「読みます」
「タメ口でいいよ」
「でも、疾風先輩。他の人の手前」
「他の一年生がいない間ぐらいは。同じ一年生の可憐もタメ口だし」

 うーん。いいのかなぁ。でも本人がいいって言うし。
 じゃあ。私はお言葉に甘えて。