教室に行けなくなった私たちが再び歩き出すまで

「……うん、待ってるよ。だから絶対無事に戻ってきて」

 お願いだから。

「ああ。約束するよ」

 絶対、待ってるから、絶対無事に帰ってきてね。疾風。私も自分磨きをちゃんと頑張って待ってるから。だから、その時は私からもーー。

「僕も、これからは有名作家のアシスタントもすることにしたよ」
「稔、そうなの?」

 私は尋ねた。
 ただでさえもうぶっ飛んで絵が上手いのに? 
 これ以上、自主的にスキルアップを貪欲(どんよく)にするの?
 凄い。さすが稔。
 
 相変わらずハングリー。尊敬する。

「明日花ちゃんはどうするの?」

 可憐ちゃんの言葉にみんなが一斉に私を見た。だから。

「私はーー」

そう、私は。

***