「あ、明日花ちゃん!」
昼休み中の私の教室に、可憐ちゃんがすっ飛んできた。
「可憐ちゃん? なんでこっちのクラスに」
テンションがすごく高い可憐ちゃんは、隣に知らない女の子を連れていた。
目があったその子はペコリと頭を私に下げてくれたので、私も返す。
そして可憐ちゃんは可愛くラッピングされたピンクの包みを私に差し出してくれた。
なんだろう、これ。
キラキラな包装紙が、いかにも女子力高くて可憐っぽい。
「日帰り旅行のお土産持ってきたの、お菓子」
「あ、ありがとう可憐ちゃん」
「じゃ、またね。今度遊ぼうね! 明日花ちゃん」
「うんっ、またね!」
手を大きく触り合いながら、私たちはさようならをした。
よし、学校から帰ったら開けて美味しくいただこうかな。
どんなお菓子だろう。楽しみ楽しみ!
と、思っていると近くの男子グループがざわめいた。
「今の子可愛くね?」
「やばいよな」
「小花の友達らしーぞ」
顔を真っ赤にして鼻息を荒くする男子グループを私は白い目でみる。
ミーハーで声のでかいうるさいグループの男子たちだ。
元いじめっ子のあんたらに何か言われても、大切な親友を絶対紹介しないからね。なんて。
プイッとそっぽを向いた私は他の男子グループが目に入った。
おとなしそうな真面目グループは何やら雑誌を広げている。