「軽々しく死ねなんて言うな!! お前の命じゃないんだよ!? お前は誰かに軽々しい気持ちで殺されたら嫌じゃないの!?」

 私の中で何かがはじけとんだ、気が付いたら叫んでいた。

「は? 黙れよブス」

 いじめっ子は首を傾げて私を睨んだ。

「ここは俺の教室なんだよ。出てけよ。生ゴミ」
「死なない! むしろ生き抜いてやる!」

 こんな最低な見下し男のために死ぬわけにはいかない。幸せになってひいやたちと、優雅にざまあみろって高笑いしてやる。

「口答えすんなよ、生ゴミ。どうせお先真っ暗なくせに。死んだ方が幸せになれるぜ。死ね」

 そういじめっ子が叫んだ時だった。いじめっ子が誰かに引っ張られて視界から消えた。
 ドスン、と鈍い音が教室に響く。

「もうやめなさい! 雅彦!」
「!? 母さん!?」
「あれは、PTAの会長!?」

 委員長は言った。雅彦と呼ばれたいじめの主犯格は青ざめている。
 PTA会長は吊り上がったメガネよりも目をさらに吊り上げて雅彦に歩み寄る。