「小花は自分も生ゴミだから一緒にいじめられるかもだから言うんだろ」
「委員長もいい子ぶるのやめてくださーい、あはは」
「普通に無理。別に戯れあいだし、楽しい遊びなのにいじめ扱いされるとかないわ」
「空気読んでくださーい」
「本当地味なくせにでしゃばるなよ。身の丈を知れってーの」

 クラスメイトは言いたい放題言って友希子にノートを丸めたものを投げて当てた。友希子の目に涙が滲む。
 そこでひいやがガタンと机に手を置いて立ち上がる。

「そんなこと言われても! ボクもいじめられるのはもう嫌だから! ボクにだって人権があるし死んでどうのとは言わないけど、死にたくなる夜もあったよ。でも本当はみんなと仲良くしたくて我慢してきたけどもう無理。もうやめてよ!!」

 ひいやの悲鳴のような叫び声は廊下まで聞こえそうなぐらいの激音だった。
 一部のクラスメイトが耳を塞いだぐらいだ。

「人の人生をなんだと思っているの!? ボクの人生は誰かのおもちゃじゃない。人の命で遊ばないで!」
完全に同意する私はさらに勢いよく立ち上がる。
「そうだよ。みんな。自分が逆の立場だったらとか考えないの!? やりたいことをやる権利を奪われるどころか最低限の事すらもさせてもらえないまま、青春が過ぎてく苦痛をみんなは知らないでしょう!?」

 経験するまでわからない、あの痛みと苦しみ。
 これ以上、いろんな人に経験してもらいたくはない。