岡崎先生が、学級会議を生徒だけでさせてくれる事になった。
 なぜ生徒だけと言うと、岡崎先生がいると本音が聞けないから、らしい。
 委員長である友希子が代表として仕切り、最初は普通の学級会議のふりをして計画させた。

「今から学級会議を始めます」
 
 委員長の隣には一応副委員長もいる。分厚いメガネの男の子だ。

「ねぇ、委員長、の会議するの? 親睦会(しんぼくかい)?」

 クラスでも目立つ女の子が手を挙げて言った。
 友希子は真顔で首を横に振る。

「違います、このクラスのいじめについてです」

 眉間に(しわ)寄せて舌打ちするクラスメイト。目を露骨に逸らしため息をつくクラスメイトもいる。
 みんな不機嫌を隠さない様子で、こんな話題に触れるべきではないと言わんばかりにひいやや私をキツく睨んでいる。
 彼らにとって今のままの方が居心地が良く幸せな世界なのはわかっている。
 けれども私たち被害者は黙ってなんかいられない。無理だ。

「このクラスにはいじめがあります。樋口ひいや君へのいじめです!」

 友希子が大声で言った。
 周りが関係ない話を始めようとする。
 ノートに落書きを始める人もいた。

「遊ばないでください! 真剣なんですよ!」
「そう! みんなのしてる事は最低なことなんだからね!」

 私も立ち上がって宣言する。
 すると。