目に見えない絆が私たちを守るようにクラスメイトたちには悪意の絆がはっっきり彼らを蝕んでいる、と思う。
もしそこで手を挙げて嫌だといえばその悪意の絆からはみ出て、結果自分が悪意の対象になる。
いじめって、そういうものらしい。
自分でもそういう体感があるし、ネットや本でも調べて悲しい事によくあることだと知った。
可憐ちゃんや稔たちの話を思い出しても、人間のそういう汚い面と、幼い故の残酷さが今は一番ひどい時期なのだと思った。
心の痛みが過敏な今は、一生で一番隣の芝が青い時期なのかもしれない。
でもって、その芝が自分より綺麗だと、憎いし腹が立つのだ。
そしてそれを潰したがる。自分の立ち位置を守るために。
みんな自分が可愛いのだ。
守るべきものは第一に自分なのだ。
そのために、生贄を差し出しているにすぎないのだ。
それは理解した、けれど、私はそれに染まりたくはなかった。
みんながくれた勇気や温かい気持ちを、黒色に染めたくはなかった。
助けられてばかりの人生も嫌だし、私も誰かを救いたかった。