「いとこと私！　ごめんお願い。最近可愛くなって私もファンになっちゃって」
「正直でよろしい。はい、何に書けばいいの？」
「あ、書く場所なかった！」
「ちょっ、あたしのサインくらい。いつでも書くから色紙買ってきてよ。今度」
「はーい！」

　可憐ちゃんのクラスからも大勢の笑い声が聞こえる。可憐ちゃんの声はよく通るため、気にしなくてもよく聞き取れる。
　この前、可憐ちゃんは雑誌にまた載っていた。
　誌面インタビューされるぐらい最近は人気者の可憐ちゃん。
　インタビューで学園生活を楽しそうに語っていた。

「おーやっぱすげぇな。稔」
「ふんっ、僕はプロ漫画家だからな！　二作目も雑誌載ったばかりだし、アンケート気が向いたら出せよ！」
「はーい！！　稔大先生！！」

　実はどうやら完全に絵を武器に友達作りを励んでいるらしく。
　クラスメイトらしき男の子が嬉しそうに似顔絵を受け取っていた。