明日花みたいな子。みたい、か。

その言葉で、私は自分がこの保健室に歓迎されつつ、仲間というレッテルを貼られていることに気づく。
 私、みんなと同じような教室へ行けない子だって思われてる。

「帰ります! 私、保健室に登校なんかしない!」

 怒りで耳まで熱くして私は叫んだ。
 違う違う。私はそんなんじゃない! まだ教室に、ちょっと行きにくかっただけだ。
 私はそんな不登校寸前の、保健室登校なんかする子たちなんかじゃない!

「明日花。落ち着いて、少し休むだけに、保健室を使っても良いんだよ」

 私を止める疾風先輩を、保健室の先生と他のふたりはのんびり見ている。

「疾風先輩」

 そもそも人気者の疾風先輩が、なんで保健室に? まさか、疾風先輩も保健室登校なの? 嘘でしょ? 情けない!!

「そんなんおかしいげんろ! うちだってものいのは事実やけど無理しんと、パパとママに」
「明日花」
「!」

 気がつくとまた私は方言を口走っていた。ちなみにものいとは具合が悪いの意味だ。