永遠に私は真っ暗な世界にいるんだと思っていた。
 死んでも出られることはないのだと信じていた。そんな、学校へ行けなかった頃の私を思い出す。
 他の人とは異質な自分が嫌いで、嫌で、どこか遠いところに転生したかった。
 でも結局はありのままの自分でしか戦闘はできないのが人生で。

 いきなりスーパーマンには変われないんだって悟ったあの日、私はどこかにたくさんの錘(おもり)を置いてきた。
 あんなにも身動きが取れなかった真っ暗な世界は、ほんの一部の足元で。
 身軽になって立ち上がってみたら、綺麗な青空に虹が見えた。

 それはきっと、錘をみんなが壊して外してくれたから。そりゃね。私も頑張ったけれど。
 広くて鮮やかな世界が見えた時、私はとても小さな存在で。
 私がいた場所もとても狭くてボロい場所だとわかった時は、笑っちゃったなあ。

 そんな、過去の夢を見た朝。頬には一筋の涙が流れていた。
 あのね。そしてその時に気づいたんだ。自分の体に錘をつけていたのは私自身だったって事に。
 自分が無理だと思っていたりダメだとか諦めてしまおうとするたびに、それは増えていった。自分で自分に縛り付けられるうちにもうもがくこともやめてしまった。