「岡崎先生って私たちと同じ歳の娘さんがいるんですよね？」
「あ？　ああ。いるがどうした？　委員長」
「いじめられていたらどうします？」
「あの子にかぎってそんなことはないだろう。真面目ないい子だから」

　間抜けな顔をして岡崎先生は首を傾げた。

「……いじめられてますよ。ユカリちゃん」
「は！？　なんで名前を知って」
「ボランティア団体で一緒になったことがあるんです。つらいとこぼしていました」
「なんだって！？　ユカリがなんでいじめられてるんだ！！」
「……ってなりますよね。身内だと」
「あ」

　鳩が豆鉄砲を食ったような顔をする岡崎先生。それを気にしもせず友希子は続けていく。
　それもだんだん早口になって怒りを含んでいる気がする。

「つまりは樋口君たちについてもそういう目線で動くべきだと思いますよ」

　淡々と刺すような声で友希子は言い捨てる。岡崎先生の顔色は真っ青だった。