「そう言われても、証拠もないし」
「証拠なんか残さないに決まってるじゃないですか!? 何言ってるんですか!?」
「おい、小花。叫ばなくてもいいだろう」
「叫びますよ。大事なクラスの問題です!!」

 私は全力で叫んだ。
 岡崎先生はとっさに耳を塞いだ。
 聞こえないふりは絶対やめてほしい。
 ちゃんと聞いて欲しいのだけれど。
 もっと真面目に、問題を直視してほしい。

「なあ、花野先生はどう思います? 三人の話」
「聞くべきだと思いますよ。担任の先生としてね」
「そう言われても、困ったなぁ」

 岡崎先生は、保健室の先生に見つめられ目を逸らす。
 今まで気づかなかったことが後ろめたいのか、クラスの問題を認めたくないのか……。
 そう思っていた時、友希子がぐいと前に出た。そして岡崎先生を強く睨みつける。