「うちのクラスにいじめがあるんですか? 花野先生」
「はい。ありますよ。岡崎先生」

 裏返った声で、信じられないというリアクションで岡崎先生は私たちを見た。
 なので私たちも深く頷く。

「私も被害に遭ってましたが、今のターゲットは樋口君です」

 私は震える声で言った。そんな事ないだろうと否定されるのが怖かったからだ。
 自分たちだけがいじめと思ってる、勘違い、相手は口が悪いだけとか言われたら、さらに傷つく。

「樋口が?」
「はい、ボクはいじめられてます!」
「先生はそんな光景一度も見たことはないが」
「陰でボクはいじめられているんです!」
「委員長、本当か?」
「はい。岡崎先生。どうにかしてください!」

 みんなで一斉に頭を下げる。
 岡崎先生は困ったように頭をかいた。