「それにすごいのは友希子ちゃんもだよ。こうやってひとりで勇気を振り絞れたんだもん」

 私が逆の立場なら、友希子みたいにできる自信が正直ない行動力だ。すごく友希子の事が心からカッコイイと思う。

「漫画のヒロインの真似なんだけどね」

 顔をかきながら照れ臭そうに友希子は言った。

「え? 漫画??」

 なんの漫画だろう?
 私が読むのは小説ばかりで、最近の漫画はあまり読まないんだよね。

「うん、三つ編み眼鏡の委員長ってキャラ。その子に小さい頃から憧れていて、こんなスタイルで生きているの。今度貸してあげようか? 面白い漫画だし、恋愛要素もあってドキドキだよ!」
「もちろん、その漫画を貸して欲しいな!」
「喜んで全巻貸すよ! 感想聞かせてね。明日持ってくるね!」
「うん! 楽しみにしてる!」

 キャッキャッと女子のノリ全開で私たちははしゃぐ。
 ひいやにも、このことを伝えないと。あー嬉しい。
 今日は今までの人生で最高の一日かもしれない。みんながうまくいって小躍りしたい気分だ。
 努力がどんどん形になって実っている感じがする。嬉しい。
 あとはひいやのいじめ問題を少しでもいい環境に変えられたらいいんだけれど。今の状況はあんまりすぎる。
 ひいやは見た目より気が強くて戦っているけれど、それでも一緒にいて黙ってられない!! 
 もしひいやが見た目通り内気だったらどうなっていたか。
 不登校どころじゃ済まない、自殺とかもあったかもしれないわけで。  
 本当、悪質すぎるよ!
 今の状況のままのんびりクラスになんか絶対いられない!! 無理!!

「さあ、行こう。明日花ちゃん」
「うん! 友希子ちゃん」

こうして私はひとり、新しい素敵な仲間を見つけたのだった。

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