「友希子でいいよ。うちの名前は|古町友希子《こまち ゆきこだからさ」
「可愛い名前だね。友希子ちゃん」

 なんだか古町って苗字は和風の顔立ちによく似合う感じがした。ちんまりとして、どこか小動物のような可愛さがあるのが羨ましい。

「小花さんは明日花ちゃんだったよね?」
「うん、そうだよ。明日花でいいよ」
「明日花ちゃん。名前で呼ばせてもらうね」

 目を細めて笑いながら、委員長こと友希子は言った。

「もちろんいいよ」

 でも、どうして急に私に声をかけてきたんだろう。不思議だなぁ。
 そもそも友希子ってどのグループの子だっけ。
 クラス全員と平等に仲良いイメージで、いかにもクラスの委員長! って印象だけれど。
 それは見た目が黒髪眼鏡の三つ編みでおさげだからかなぁ。すごく古典的な委員長のルックスだよね。
 今どきこんな子が現実にいるんだって正直思ったもん。

「ところで、どうしたの? 友希子ちゃん」
「えっとね、樋口君の方にも言いたいんだけど」
「うん? ひいやも?」

 何だなんだ?
 ひいやに用事で私も用事? 

「うちもふたりの仲間に入れて欲しいの」