と疾風はハッキリと言い切った。
 当然、疾風の周りみんなの身動きが止まる。

「いいから。もう俺に気を使わなくていいから」
「疾風、でも」
「逆に俺も居づらいし、怪我のことをみんなのせいだとか誰のせいだとは俺は思ってない。あえていうなら仕方がなかったんだよ」
「……疾風」
「だから、もう昔みたいに普通に接してくれよ。俺だってやりづらいしな」
「そう、か?」

 不思議そうに、そして心配そうにクラスメイトたちは首をかしげる。

「ああ。俺が自分の意志で教室から離れていただけだしな。その分の勉強については頼らせてもらうけれど、それ以外はもう気にしないでくれ。みんな大好きだ」
「! おれたちも疾風大好きだー!」
「オレもオレも! 疾風愛してる!!」

 疾風の仲良しのクラスメイトが疾風に一気に抱きつく。