「お!やった! 前から見たかったんだよな!」
「別に。いつだって絵ぐらい見せてやるし」
「おおおおお!! マジか!! 似顔絵描いてよ!!」
「いいけど? 僕はプロなんだからタダで描いてもらえて感謝しろよ」

 どこか満足気に稔は鼻で笑った。
 相変わらずである。
 私まで苦笑いする。
 稔が子供のように微笑んで、照れている様子をもう少し見ることにする。
 その時だった。
 強い風が窓から吹いたのは。

「うわっ」
 
稔がアワアワする。何故なら。