自分自身でさえ、すぐには変えられないのだからその他なんか期待しても無駄なのかもしれない。
だけれど、期待しちゃうのが人間だ。だから、正直ショックだった。
もしかしてあの可憐ちゃんなら一瞬で馴染めて、なんて思っていたからだろう。
やっぱり勇気を出して戦って努力しても、全部は丸くは治らないんだ。
真由との関係は根深いし、すぐ直るとは思ってなかったけれど、やっぱり完全には無理だった。
「ふぅ……」
可憐ちゃんがダメなのに、私なんて、ときっと昔ならマイナス思考に思っていただろうけれど、今の私は違う。
可憐ちゃんだって努力してうまくいったし、そうじゃなかったとしても努力次第で私だってうまくいかせる。
だって私たちは頑張れる子だから。だから、稔の教室を見つけて彼が漫画を読んでいて独りでも、あまり深く考えずに去っていった。
ただ、稔が漫画を読んでいる表情が漫画に夢中な笑顔だったので、それで安心したのもあるけれど。
手にはシャーペンを持って、模写? らしき事をしているあたりやっぱり向上心が凄い。
さすが稔である。
何だかんだすごく超真面目。
そもそも不真面目な人がこの年齢で夢を叶えることは無理だし。
早く稔の新作が雑誌に掲載される事を強く祈る、結局は一度も稔の漫画を読ませてもらえてないから。
探せば見る事ができるのかもだけれど、それはなんかルール違反な感じがするし。
どうせなら堂々と読みたいよね。
そう思っていると。