保健室に相談しに行った後、あれから梨花のクラスにも挨拶に行った。
 梨花の友達も紹介してもらった。すごくいい感じに進んでいて、嬉しい。
 なので、その後に改めて息抜きにひいやを誘って、昼休みに図書館に来ている。

 教室だと監視がある感じがして嫌だし。
 図書館にはクラスメイトらしき人は見当たらない。良かった。

「ひいやも読書部入らない?」
「ボクは家庭科部。手芸とかが好きだから。掛け持ちも考えてみるけど」
「へぇ、手先が器用なんだね」
「うーん、まあまあだけど、上手くなりたいし練習感覚で入ってるよ。そこにもクラスメイトがいて上手くはやれてないけど」
「そうなんだ……それはすごくやだね」

 だけれど、ひいやは笑顔だった。
 気にしてないのかな。

「でも、いじめのせいでやりたい事を我慢するのは変かなって思うから、いいんだ。つらいし寂しいけれど」
淡々とひいやは言い切った。

 表情はへこんだ感じはするけれどか弱い見かけによらず、しっかりしてる子だなぁ。尊敬する。

「強いね、ひいやって」

 尊敬しちゃうな。

「そんな事ないよ。明日花ちゃん。自分に言い聞かせてるだけだよ。実際は独りでよく泣いてる。人前でぐらい強気に振る舞ってないとボク自身が不安に染まっちゃいそうで」
「なるほどね」