その後、放課後になってから私はひいやを連れて保健室へ向かった。
 今の私の状態とクラスの状態を伝えるためだ。
 保健室には現在は誰も保健室登校の子がいないらしくとても静かだ。一応は、ステップルームという別の部屋もこの学校にはあるから、そこに集まっているのかもしれない。私たちは、その部屋へ行く事すら自分の中のプライドが許さなかったんだけれど。

「花野先生、こんにちは」

 保健室のドアを開けてひょっこり顔を出して私は言った。ひいやもそれに続く。
すると保健室の先生はパソコンを触っていた手を止めてにっこり微笑んだ。

「あら、明日花さん、久しぶり。この子は?」
「同じクラスの樋口ひいやです」

 ひいやがペコリと頭を下げる。保健室の先生も笑顔で頭を下げた。

「明日花さん、友達できたのね」
「はい。そこで、クラスの相談があって。だから、中に」

 声が震えた。怖かった。バレたらもっといじめが過激化するんじゃないかって不安だった。それはひいやも同じで、体が震えていた。


「大丈夫よ。さあ、中に入って」

 保健室の先生に招かれて、私たちは保健室にソッと入る。
 そして私たちは必死の思いでクラスの実情を話した。