結局自分が納得する長所は自分が作るしかないのだ。
 美意識の高かった可憐ちゃん、漫画をずっと描いていた稔。そして、治療に専念はしていたけれど、普通の本のふりしてサッカーの本を読んでいた疾風。

 みんな見えないところ含め努力して自分を作っていってるんだ。
 だから。
 私だってただダラダラ甘えてなんかいられない。絶対に頑張るんだ。
 気合いを入れて、精一杯努力して自分の弱さと戦うんだ。
 だって、私は私だけのヒーローになれるんだから。

「樋口、おはよう」

 次の日、私は教室前で樋口を見かけ真っ先に挨拶をした。

「ひいやでいいよ。おはよう小花さん。明日花ちゃんって呼んでいいかな?」
「いいよ、ひいや。今日も頑張っていこうね」

 ピースサインを作り私は笑う。
 ひいやもピースをして返してくれた。
 うんうん、朝からお互いにいい笑顔!