だから、私は思わず反論した。
　だって、樋口はまったく悪くないし。
　むしろ自分のありのままの性格でいるだけだから、それを馬鹿にされて嫌がるのは正当この上ない。
　それを否定する権利があるのは樋口本人だけである。他人は何も口出しする権利はない。

「反省したら？　みっともないよ」

　私はキツイ口調で言った。
　その私の反応にイライラしてきたらしいいじめっ子は露骨に舌打ちをした。

「はあ！？　お前だって陰キャで不登校だったくせに！　お前の方がみっともないだろ！　何調子乗ってんだよ」
「乗ってないよ。当然の権利を主張しているだけだよ」

　私はハッキリ言い切った。
　すると、いじめっ子は睨みつけてくる。私は怯まない。
　
　だって、悪くないし。
　当然、睨み返すよね。