空だって雲にまみれたり雨を降らしたり雷を鳴らす。
 人だって、物だってずっと同じじゃいられないし、それが普通なのだ。
 今はちょっと、不調なだけ。
 頑張れば私だってできる。
 晴れ晴れとした明日花になれる!

「ねぇ! 見て明日花ちゃん」
「え?」
「窓!! 窓の外!! 見て! 明日花ちゃん!!」
「え、あ……虹だ!? 何コレ」

 可憐ちゃんの言葉に、私はビックリして手に持っていたクッキーを落としてしまった。
 だって。
 窓を開ければ、そこには綺麗で大きな虹が見えたからだ。

 まるで映画で見るような、そんな豪華な虹だった。
 スマホがあれば写真を撮っていただろうってレベル。

「綺麗だねぇ。珍しいよねー! すごーい!」

 可憐ちゃんがウットリして言った。
 キラキラ輝く虹は、まるで私の未来を応援してくれてるような気がした。


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