「え、ウッ」
「ほら」
「オエッ」
ビックリしながら私は男の子の服の上に嘔吐する。
……私、そんなに気分が悪かったんだ。
怒られるんじゃないかと怯えた目で男の子を見ると、それどころか心配そうに私を見ていた。顔色も釣られているのかどこか青い。
「行くぞ!」
「!」
グイッ、と引っ張られてしまえば体格差もあって、男の子に従わざるを得なくなる。
かっこいい男の子に触れて、顔が熱くなる。村には私と同じ歳ぐらいの男の子なんかいなかったから。手、大きいなあ。私と違って、ゴツゴツしてるなあ。
具合が悪いのも忘れて、そんなことを考えていると保健室について冷静になる。
「どうしたの?」
保健の先生がソッと私たちの前に顔を出す。