ううん、可憐ちゃんはそんなこと気にする子じゃない。わかっている。
 そして冷静になる。こんなふうに浮かれている場合じゃない。
 感動の再会とか思っている場合でもない。可憐ちゃんがここにいるって事は……。

「可憐ちゃん、何でここに?」

 わかってはいるけど、一応確かめる私。

「明日花ちゃんを、学校に連れ戻しにきたんだよ」

 やっぱり。
 嫌な予感は当たった。

 そうだよね。
 不登校の子に学校行っている子が声をかけるって、そういう事だよね。

「お便りももらってきたよ。別のクラスだけど、でしゃばってお願いしてもらってきちゃった」
「可憐ちゃん、ありがとう」
「だって、それぐらい明日花ちゃんが心配で会いたかったから」

 美少女なのに顔を歪めて鼻を啜って可憐ちゃんは言う。
 私は困ったように目を伏せる。