みんなから大切に手渡されたバトンを受け取らずに逃げてしまって、本当にごめんなさい。

「っ、あ、あああああ！！」

　布団の中で声を押し殺して泣き叫ぶ。
　悔しさから何度も泣いて、泣いて、叫んだ。どうして私だけができないのか。
　それは私が臆病だからだ。失敗する怖さ、失う寂しさ、どれも勇気が足りなくてできなかった。

　かと言って私は何か楽しいことに没頭して、それで見返してやる程結果を出すなんて事もできなくて。
　ただひたすら夢も希望もなく、逃げた。なんてみっともない。
　いじくらしい。
　ああ。思考にまで方言が出る。
　わかっている、私は私に怒っているんだって。
　なのに、体が動けない。

　体の中に何か入れられているんじゃないかってぐらい、動けないのだ。
　
「どうして、なんで、私だけっ！！」

　叫んで、叫んで喉が渇いて吐きそうになる。
　こんな私、誰も望んでないのに。
　どうして、こうなるの？
　私が不幸になって、誰が得するの？
　なんて意味のない自問自答に逃げる。