強くなれる薬があるならちょうだい。私に優しく飲ませてよ。
 保健室の中で、私はひとりため息をつく。自分で淹れた紅茶は、ひどく美味しくない。いつもとまったく同じ茶葉なのに。
 むしろ今日はなぜかしょっぱいよ。

「もう、やだ。どうして他の子にみたいになれないの? 私」

 ボソリと呟いて机にうつ伏せる。

 私は、その日から学校にも行かなくなった。


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