「返事、できないのか? オイ、お前。意識あるのか?」
「う、あ、ものいげんて」
「あ、返事した。お前。大丈夫? 大丈夫じゃないよね!? 保健室行くぞ!」

 しまった。
 方言で具合悪いなんて通じるわけない。と思ったのに動じない男の子。
 アタフタして私は近づく彼から離れようとした、けど。

「吐きそうか? 具合悪いのか? ものいって何だ?」
「へ!? 私、別に重い病気じゃないけどって、うっ」

 やばい。吐きそう。
 そう思った瞬間男の子は自分の胸元に私の顔を埋めさせた。

「具合悪いんだから、気にするな。そこら辺にぶちまけるよりマシだ」

 背中を男の子はソッとさすってくれる。なんだかママみたい。