「とにかく、バイバイ。明日花。僕も教室へ行くからね」
「え、稔、やだ、行かないで」
「大丈夫。僕も明日花にとって見本になれるよう頑張るから」
「稔!」
「勢いがあるうちに動くよ、またね。明日花。バイバイ」

 珍しく私に向かって優しく笑った稔は、保健室の先生に声をかけて保健室を出て行った。

 次の日から、保健室に稔がやって来ることはなかった。

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