途中漫画にたとえるあたり、稔だなぁ。
 でもそうかもしれない。小学校の頃そんな不安を感じなかったのは、田舎の安心感だけじゃない。
 自分が幼く純粋だったから、そういう思考をしてなかったからなだけかもしれない。
 そう、わかってはいるんだけど。

「でも、それでも教室へ行けないんだよ」
「ああ。それとこれは違う問題だってわかっているよ、僕も」
「じゃあ、一緒にずっと保健室にいよう? 稔」
「無理。僕ひとつ上の学年だから、どんだけ粘っても無理。ってそういう問題じゃなくて」
「わかっている、けど」

 行きたくない。行きたくない。 
 怖い。逃げたい。誰か助けて。
 ねぇ。パパ、ママ、疾風、可憐ちゃん、みんな、私を中心に回れ!
 そしてそのまま私を助けに迎えに来て。
 それか、一緒に学校を燃やそうか。頭の中がパンクしそうだ。
 みんなが戦っている中私だけ後ろ向きという現実に頭痛がする。