いつも通りの挨拶をして家を出た。
最近の両親はやっぱりどこか遠巻きな感じがする。
私とお出かけなんか基本しないし、外食もしない。
やっぱり教室へ行かない私をどこか後ろめたく思っているんだろうな。
それとも、接し方がわからないのだろうか。
普通に中学を卒業して、大学まで進学してきたふたりには、私は異物すぎるのかもしれない。
宝石の中にいる石ころなのかもしれない。
だから、磨く意味もないし頑張る意味もない。
それに、気がついて落ち込んでいるだけなのかも。
それならば、落ち込むだけ無駄なんじゃないのかな。
勇気を出して磨けるのは、宝石の子供だけ。石を磨いても、石のまんまだ。
ただ綺麗な石ころじゃ何の価値もない。
だから私は、頑張るのをやめた。
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