教室にいる、夢を見た。
 私はひとり本を読んでいる。
 今回はフリじゃない。だけれど気が散ってソワソワしている。
 また、フリじゃないかと話しかけられるんじゃないかと怯えている。
 そこで、目が覚めた。

「すっごい汗……パジャマベチャベチャ」

 パジャマが体に貼り付いて気持ち悪いので、その日は朝早くから急いでシャワーを浴びた。
 起きた時間もまあまあ早かったので、遅刻する気配はないけれど、何となく不安になる。今日も太陽が眩しい。
 いや、いつだって晴れている日は太陽が眩しいのだ。

「おはよう、ママ。パパ。行ってきます」
「はい、おはよう明日花。パパも仕事に行くね」
「気をつけるのよー明日花」
「はあい。わかってる」