昼休み。暇を持て余し私たちは顔を見つめ合う。
「ねぇ、暇なんだけど」
「奇遇だな、明日花。僕もだ」
「可憐ちゃんの様子見に行かない?」
「いいと思うぞ明日花。賛成だ」
私たちはニヤニヤしながらさらに見つめ合う。
疾風はとにかく、可憐ちゃんならまだ見に行ってもいい気がした。
その差が何かは、口に出せるほどはっきりわからないけれど。
保健室内の鏡の前でしっかり髪の毛を整えて深呼吸する。
そして稔と私は保健室をゆっくりと出た。いつもよりどこか緊張しながら、可憐ちゃんの教室に向かう。
私の教室とはだいぶ離れているけれど、それでも教室だ。
怖い。
そこら中を同級生が歩いている中、空気になることを目指して歩く。足音や鼻息すらも気をつけるレベルに。
「ここじゃね? 可憐のクラス」
「あ……」