太陽ばかり見ていると、転びかけた。そりゃそうだ。
何でも遠くや上にある眩しいものばかり見ていてはいけない。きっとそれは人生だってそうだ。
それなのに何で、ああいうものはあんなにも目を惹きつけるのかな。
例えばクラスの中心的グループだとか、モテる男子だとか。
釣り合わないものほど欲しくなる。
まるで満月をとってくれよと泣く子供みたいじゃないか。
馬鹿馬鹿しい。
それが、私には教室の事なんじゃないのか。
なんて、最近考え始めている。マイナス思考なのかプラス思考なのかはわからない。
学校が見えてくると、さらに嫌な予感が強くなる。そして、保健室に入ってその理由を知った。
「明日花!」
「どうしたの、稔?」
保健室に入るなり、稔がすっ飛んできた。手には紙を持っている。
「可憐が! 教室に行くって置き手紙を置いて消えた!」