のに。
今すぐ教室に駆け込んで駆け足に周りに追いつく勇気は出せなくて。
「っ、く」
稔の原稿を避けて床にしゃがみ込み泣いた。
わかっている。
みんな虚勢を張っているだけだって。
本当は三人とも、怖くて怖くてたまらないんだって。
泣いている私を、稔と可憐ちゃんは静かに放置してくれた。
あえて視界にも入らないようにしてる気がする。
みんなもわかっているのだろう。
口を出せば負のサイクルに入ると。
三人で一斉に泣き出してしまえばもう取り返しがつかなくなる。
しばらくして私はトイレに行くふりをして外へ出る。
そして図書館に逃げた。
授業中だから、疾風がいる訳がないのに疾風がよく座っていた席に座ってひとりぼっちで眠った。
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