給食を食べ終えた頃。
 疾風が急に立ち上がった。

「みんなに話がある」

 私たちが顔を上げると、疾風はみんなを順番に見渡した。
 何かが始まる気配がして私は息を呑む。
 はああああ、と深い深呼吸を疾風はした。 
 
 そして。
 
「俺、教室に戻ろうと思う」

 疾風はそう言って微笑んだ。


 これが、終わりの始まり。
 楽園の終わり。

 私たちが変わるきっかけになる出来事だった。


***