私たちはずっと一緒にいれると思っていた。永遠なんてないのはもう子供じゃないから、わかっている癖に。
 教室と保健室の距離は、本当はすごく近いのに、私たちにとっては日本とブラジルぐらい離れて感じられる。
 学年だってそうだ。 
 教室にいる頃には保健室内みたいにこんなに距離が近くなかった。
 先生、先輩、後輩。
 その境目は濃すぎるほどにしっかり引かれていた。

 だけれど。

 この保健室だけは特別で。
 みんな同じで仲良しで。
 でもそれは、ここが特殊なだけで。教室へ戻れば、元通りだ。
 私は中学一年生の女の子。
 
 先輩の疾風や稔とは対等ではない。
 忘れてしまいそうだけど、目上の存在なのだ。
 だけれど。

 そんなの関係ない、友達だから。
 そう思いたいけれど、周りはどう思うだろう。

 不思議に思うかイラつくだろうか。
 わからないし、わかりたくない。
 このままでいたい。
 この、心地よい保健室にずっといたい。