たまに泣きそうな顔をしている事があるのは。

 寂しそうに遠くを見つめることも多いし。見つめる先に何があるのかはわからないけれど。
 キリリと真面目な顔をして、カリカリとシャーペンを走らせ筆記を続ける疾風にはもう何も言えなくて。

 私は自分の席に戻り教科書を開いて勉強を始めたのだった。

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