可憐ちゃんは嬉しそうに言った。
 そういえば、可憐ちゃん昨日休みだっけ。なるほど。

「お土産の分もあるからね。みんな」
「ありがとう可憐ちゃん」
「はいはい、稔と疾風もお礼お礼」
「サンキュ、可憐」

 すぐさまお礼を言う疾風。
 それに対して。

「あ、あ、ありがとう可憐」
「えへん! どういたしまして」

 照れた様子で早口の稔。なんだかニンマリ顔の可憐ちゃんは満足そうだ。

「さあてはじめましょう。お茶会をーー」

 可憐ちゃんがそう言って紅茶を淹れ出す。次第にいい香りが保健室の隅っこを支配する。
 できれば今日は誰も急患が来なければいいのだけど。
 それはまるでパーティのように。

 ――それが、みんなでやれる最後のお茶会になるとも知らずに。