小さな声で私はつぶやいて、帰り支度を始めた。
 疾風も、可憐ちゃんも稔も誰も追いかけて来ることなく、私はひとりきりで自宅に帰った。
 次の日は、何事もなくお茶会をした。

「可憐ちゃん、その紙袋どうしたの!? すごい大きいけど」
「えへへ。明日花ちゃんも食べる? なんか、コレはぜひ持ってこないとって思って、あたし外国のお菓子持ってきたよー」
「先生にバレたらまずいんじゃ」

 私はアワアワと言った。

「今日だけよー? 処分するのももったいないしね」

 そう返事する保健室の先生のテーブルには大量の同じお菓子。
 買収済みか。なるほど。
 しかもあれって某お取り寄せの高級品では?

「紅茶も、いっぱい持ってきた! 実は撮影で使った残りなの」