「友達のために熱くなれる明日花ってかっこいいな! な! みんな!」
「疾風!? そ、そんな」
「最高に爽快だったぜ。見ていて気持ちよかった。明日花のそういうところ、好きだよ」

 好き。
 そういう意味じゃないとわかってるのに、頬がポッと熱くなる。
 今から思うと方言のバズーカで恥ずかしいけれど、あそこでブチ切れたのは正解だったのかも。
 そこに、紅茶を淹れてくれた保健室の先生がやってくる。

「みんな、夏休み前に色々終わらせておくのよ。宿題溜めてない?」
「宿題……」

 保健室の先生の言葉に私は黙る。
 宿題、普通の宿題は終わっているけど……個人的な、人生の宿題は放置したままだ。 
 今日は可憐ちゃんについて進展があったからこそ、少し焦る。
 私の場合誰かと大きく揉めたわけじゃないから、自分が頑張るだけなんだけど。