「あーウザかった」

 保健室について可憐ちゃんが言った。なだれこむようにみんなが中に入ると、チャイムが鳴った。保健室の先生がため息をつく。

「みんな、遅刻には気をつけてよ」
「はーい」

 疾風が返事をする。
 なので、可憐ちゃんと話の続きをする私。空いた椅子に座って、テーブルにぐったり寝るようにもたれかかる可憐ちゃん。

「余計なことしてごめん可憐ちゃん」
「明日花ちゃんの事じゃないよ。真由」
「わかるけど、でしゃばり過ぎたかなって」
「むしろ嬉しかったよ、ありがとう」

 可憐ちゃんははにかんで言った。

「なんていうか、友情感じちゃった。そうだよね。上位グループとか、ぼっちとか、友達が多い少ないとか関係ないよね。気にする方がちっぽけな心の持ち主だよ」
「可憐ちゃん」
「あたしはみんながいるから大丈夫」
「私もだよ」

 えへへと向かい合い笑うふたり。それを稔と疾風は微笑ましそうに見ている。