「お前のためじゃないからな! 可憐!」
「じゃあ私?」
「明日花でもない!」

 なぜか真顔で睨まれた私。そしてチラリと可憐ちゃんをみて俯く稔。
 あれ? 稔ってもしかして……? 気のせいかな? ふたリは特別仲がいいし。
 なんて。ふふ。

「それにしても女子って怖いな」

 稔がぶつくさ呟く。

「特に恋する乙女はね」

 可憐ちゃんがため息を吐きながら言う。

「わかってても、止められないのよ」
「可憐、お前好きなやつ……」
「何、稔。アワアワして。そんなのまったくいないけど?」
「よかった」
「は?」
「何でもない!!」

 あーあ。やっぱりなのかあ。