それからさらに数週間経って、無事に私は、美海ちゃん達とは別のグループに入った。
土日に遊んだりするような感じじゃないけど、独りぼっちではなくなったのでよかった。
その子たちとはたまたま美術の班が同じになって、その流れで一緒に行動するとこになった。ちょっと言い方がキツかったりするけど、オドオドしていて言い方に気をつけないといけないよりかは楽だ。
そんなある日、私は久々にまゆかに会った。
まゆかとは小学校の時よりも会う頻度が明らかに低くなってきている。クラスが結構離れているせいでもあるが、まゆかには新しい友達ができて、私が遠慮していたからでもある。
「綾乃!久しぶりだねー」
「クラス違うから話す機会とかなかなかないからね」
これも間違ってないし、と心の中で言い訳する。後ろめたくて、まゆかの目を真っ直ぐみることが出来ない。
そんな私の顔をまゆかはじっと見つめてきた。
「うん。あとなんか綾乃、私に遠慮してない?いつもだったら何かしらと話しかけてきたのに」
「えっ・・・と」
(バレてたんだ)
そりゃそうか。まゆかは私のことを誰よりも知っている。そんなまゆかにバレないと思っていた私が浅はかで、恥ずかしい。
「・・・ごめん。まゆかに新しい友達ができたみたいだし、私が話しかけたら邪魔になるんじゃないかなって思って・・・」
そう言いつつ手が震える。
(まゆかとも、中学になったら関係が壊れるのかな・・・?)
環境が変われば友だちも変わるなんてよくあることだ。
それでも私はまゆかと友達じゃなくなるなんて耐えられない。
(・・・壊したくない)
「ほんとごめん。しばらく話してなかったから、気まずいよね、えっと・・・」
「そんなことないよ!」
下を向いてしか話せなかったのに、まゆかの言葉で自然と前に向けた。まゆかに包まれた手が暖かい。手を握る強さが私達のことを関係を表しているようだった。
「良かった、綾乃に嫌われてなくって。中学になった途端関係が変わるなんて嫌だし。それに、私に新しい友達って?」
「え?」
目が点になる。
(まゆか、新しい友達ができたんじゃないの!?)
「だって、宿泊研修のとき、他の子と話してたじゃん」
「あー、あれ?同じ班だから喋ってただけで、友達ってわけじゃないし、私、実際まだボッチかもね。話せる子は出来たけど、土日とかに遊ばないし」
(それ、私と同じだ)
「それに引き換え、綾乃だって他の子と話してたじゃん。私だけボッチかもって焦ったんだから!」
(私もだ・・・)
「そっか。私達同じだったんだね」
「うん。よかったぁ」
こんなことで喜ぶのも変だけど、とまゆかが笑いながら付け足した。
「もし、新しい友達ができても、迷惑がらずに話してくれる?」
恐る恐る聞くとまゆかがぎゅっと抱きついてきた。
「もちろん!今度はお互い相談に乗り合お!そして、脱・ボッチ!」
「だね!」
私もまゆかを抱き締め返した。
まゆかとの誤解が解けてから、時間が流れていく。自分達の想像よりもはるかに早く。
そして、気づけばもう3月。もう少しで3年の先輩達は卒業だ。
美海ちゃんとは、相変わらず話さないまま。
(何でグループ抜けたのかとか、話した方がいいかな?)
何で今更、と思われるかもしれない。
でも私の中で完全に消化しきれていない。ずっと喉に何かがつっかえているような感覚がする。
(けど、重いとか思われたら嫌だな・・・)
そう思いながら廊下を歩いていると、教室から同じグループの子の声が聞こえてきた。
「綾乃ってさー、やっぱりつまんなくない?」
リーダー格の子がそう言った。
(私の、話・・・?)
「ねー。実際揉め事とかなくて楽でいるんだけどさ」
「話とかあんまり弾まないよね」
「それなぁ」
「良いとこと言えば流れで榎並くんと話せることぐらい?」
「あの子が榎並くんと幼なじみとか、運全部そこで使ったんじゃね」
それに続き他の子も賛同した。会話のテンポの早さからして、話し慣れているようだった。
(そんな風に思われてたんだ・・・)
悪口なんて言われても気にしないって思ってたけど、実際に言われてるの聞くとこんなに悲しくなるんだ。
そのことを改めて痛感していると、思いもよらなかった人の声が聞こえた。
土日に遊んだりするような感じじゃないけど、独りぼっちではなくなったのでよかった。
その子たちとはたまたま美術の班が同じになって、その流れで一緒に行動するとこになった。ちょっと言い方がキツかったりするけど、オドオドしていて言い方に気をつけないといけないよりかは楽だ。
そんなある日、私は久々にまゆかに会った。
まゆかとは小学校の時よりも会う頻度が明らかに低くなってきている。クラスが結構離れているせいでもあるが、まゆかには新しい友達ができて、私が遠慮していたからでもある。
「綾乃!久しぶりだねー」
「クラス違うから話す機会とかなかなかないからね」
これも間違ってないし、と心の中で言い訳する。後ろめたくて、まゆかの目を真っ直ぐみることが出来ない。
そんな私の顔をまゆかはじっと見つめてきた。
「うん。あとなんか綾乃、私に遠慮してない?いつもだったら何かしらと話しかけてきたのに」
「えっ・・・と」
(バレてたんだ)
そりゃそうか。まゆかは私のことを誰よりも知っている。そんなまゆかにバレないと思っていた私が浅はかで、恥ずかしい。
「・・・ごめん。まゆかに新しい友達ができたみたいだし、私が話しかけたら邪魔になるんじゃないかなって思って・・・」
そう言いつつ手が震える。
(まゆかとも、中学になったら関係が壊れるのかな・・・?)
環境が変われば友だちも変わるなんてよくあることだ。
それでも私はまゆかと友達じゃなくなるなんて耐えられない。
(・・・壊したくない)
「ほんとごめん。しばらく話してなかったから、気まずいよね、えっと・・・」
「そんなことないよ!」
下を向いてしか話せなかったのに、まゆかの言葉で自然と前に向けた。まゆかに包まれた手が暖かい。手を握る強さが私達のことを関係を表しているようだった。
「良かった、綾乃に嫌われてなくって。中学になった途端関係が変わるなんて嫌だし。それに、私に新しい友達って?」
「え?」
目が点になる。
(まゆか、新しい友達ができたんじゃないの!?)
「だって、宿泊研修のとき、他の子と話してたじゃん」
「あー、あれ?同じ班だから喋ってただけで、友達ってわけじゃないし、私、実際まだボッチかもね。話せる子は出来たけど、土日とかに遊ばないし」
(それ、私と同じだ)
「それに引き換え、綾乃だって他の子と話してたじゃん。私だけボッチかもって焦ったんだから!」
(私もだ・・・)
「そっか。私達同じだったんだね」
「うん。よかったぁ」
こんなことで喜ぶのも変だけど、とまゆかが笑いながら付け足した。
「もし、新しい友達ができても、迷惑がらずに話してくれる?」
恐る恐る聞くとまゆかがぎゅっと抱きついてきた。
「もちろん!今度はお互い相談に乗り合お!そして、脱・ボッチ!」
「だね!」
私もまゆかを抱き締め返した。
まゆかとの誤解が解けてから、時間が流れていく。自分達の想像よりもはるかに早く。
そして、気づけばもう3月。もう少しで3年の先輩達は卒業だ。
美海ちゃんとは、相変わらず話さないまま。
(何でグループ抜けたのかとか、話した方がいいかな?)
何で今更、と思われるかもしれない。
でも私の中で完全に消化しきれていない。ずっと喉に何かがつっかえているような感覚がする。
(けど、重いとか思われたら嫌だな・・・)
そう思いながら廊下を歩いていると、教室から同じグループの子の声が聞こえてきた。
「綾乃ってさー、やっぱりつまんなくない?」
リーダー格の子がそう言った。
(私の、話・・・?)
「ねー。実際揉め事とかなくて楽でいるんだけどさ」
「話とかあんまり弾まないよね」
「それなぁ」
「良いとこと言えば流れで榎並くんと話せることぐらい?」
「あの子が榎並くんと幼なじみとか、運全部そこで使ったんじゃね」
それに続き他の子も賛同した。会話のテンポの早さからして、話し慣れているようだった。
(そんな風に思われてたんだ・・・)
悪口なんて言われても気にしないって思ってたけど、実際に言われてるの聞くとこんなに悲しくなるんだ。
そのことを改めて痛感していると、思いもよらなかった人の声が聞こえた。