目の前は真っ白だった。

少ししてようやく、自分が病院の天井を見上げているのだと分かった。

自分の周りには、よく分からない機械が沢山あった。

しばらくしてドタドタと足音が聞こえてきた。
風土(かぜち)さん!目を覚まされたのですね……本当に、本当に良かった……」
看護師さんらしき人が話しかけてくる。
「意識はありそうですね、自分がどうなったか覚えていますか?」
「……カナは?」
「え?」
「カナは……私と一緒にいた、遠屋叶人はどこにいるんですか」
私は、そのことが一番知りたかった。
目を覚ましたのだろうか、体は大丈夫なのだろうか。
それだけが私の心を動かしていた。

「教えてください。お願いします!」
真剣な目で、睨むように看護師さんの目を見る。


「……あなたと一緒にいた男の子は……」

重々しい雰囲気が漂う。

……あぁ、そっか。

もうこれだけで何を聞かなくても分かってしまった。

……私の大好きな君は……

「……我々も力を尽くしましたが、残念ながら先日、お亡くなりになられました」